2014年10月12日日曜日

20141012 青木泰さんからのメール:あざらしサラダさんのがれき問題の報告本について


今日届いた青木泰さんのメールを掲載させていただきます。
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差出人: 青木泰
日時: 20141012 15:16:50:JST
件名: あざらしサラダさんのがれき問題の報告本について

皆様へ(Bccでお知らせしています)重複送信失礼します。
お世話様です。
名古屋のブロガー「あざらしサラダ」さんが、がれきについての
出版本を出すそうです。
 
富山の新川地区の自主出版本、「平成がれき騒動」に触発され、ご自身も出版を考えられ、
知り合いの新聞記者に相談したところ、
自分の経験の範囲だけでなく、他での動きも載せることを奨められ、
何人かの方に執筆を依頼したそうです。
 
その件で私にも依頼が来て、これまで私が書いたものについて掲載したいと言うことでした。
私自身もがれきの問題での出版を考えていたため、自分でも使う分があり、かぶらない限り基本的にOKであることを伝えてきました。
 
この件で、木下黄太氏の動きも話しに伝わり、
ネット上も議論になっていると聞きました。
そこで私の見解を下記に示しました。
 
ご笑覧ください

がれきの広域化との闘いと報告本問題について

2014年10月10日  環境ジャーナリスト 青木泰
 
1.概要

がれきの広域化は、今年3月に終了しましたが、名古屋のブロガー“あざらしサラダ”さんからがれきについての本を出版するという話がもたらされ、私が過去に書いたみどりの情報特版の記事などを使いたいという申し込みがありました。基本的のOKであるとお伝えしました。
 
一方でこの件で放射能汚染プロジェクトの木下黄太氏が、異議を唱えているという話も届いてきました。
 
そこで木下氏ともお話しし、木下氏の懸念が、がれきの問題やがれきを巡る弾圧問題に、詳しい青木や下地氏がかかわっていないものだと、がれきの運動を事実に基づき書くという点で、齟齬が出る。そうなれば今後に続く、指定廃棄物との闘いや滋賀のチップ材の不法投棄などの産廃系の汚染物問題、さらに権力からの弾圧との闘いに問題を残すという点にあることが分かりました。木下氏は、その意味で、青木や下地氏の名前を出して、問題提起していたことも分かりました。
 
そこで木下氏の“期待”に応えて、私は沢田氏の本つくりにもう一歩協力する形でかかわることを決めました。私の活動の経験が生かせれば幸いです。
(もちろんあざらしサラダさんが、中心に行っている企画であり、私の意見は参考にしていただくということですが)
ご心配いただいている皆さん方に以上お答えしたいと思います。
 
2.がれきの広域化=汚染廃棄物の拡散

がれきの問題を記録に残すとなれば、様々な切り口が考えられますが、放射能被曝によって子供や未来を守るという動きが、原点にありました。
 
その上で、広域化処理が何故問題だったかというと、言うまでもなく、放射性物質や有害物を「拡散」「焼却」「希釈」してはならないという世界の原則に反し、汚染・被爆を拡大するということです。
 
がれきの広域化は、被災3県の内、福島県を除く、宮城県、岩手県2県のがれきを、全国の市町村に運び、市町村の清掃工場で焼却し、埋め立て処分するというものでした。その際福島県を除いたのは、福島県発のがれきは、放射能汚染されているが、2県のがれきは汚染されていないということが、環境省の提案の前提になっていました。
 
木下氏(や山本太郎氏)は、東日本各地にふりまかれた放射性物質による被曝からの防御の必要性を説いて回り、わが子に異変や被曝症状が現れる前に、安全地域に避難すること奨め、がれきの広域化問題が議論に上る前から取り組みを行っていました。
 
広域化予定されている宮城、岩手のがれきも、汚染牛問題や陸前高田の倒壊松の放射能汚染問題が、次つぎと明らかになるにつれ、木下氏や山本氏は、がれきの広域化の受け入れ予定自治体で、がれきの受け入れることの危険性を訴え、反対運動の先頭に立っていました。
 
一人はTVメディアのプロジューサーの地位を掛けて、一人は俳優の地位を掛けて、国家的な情報統制の中で、住民の側にたった情報の発掘、伝達者として状況に鋭く切り込んでくれたのでした。
 
私は、2012年1月からがれきの問題で講演会活動に入りますが、呼んでくださった個人や団体は、既に木下氏の講演会や山本氏の集会などを実施し、その中で触発されての呼びかけでした。
 
がれきを受け入れたときにどのような問題が起きるのか?広域化を阻止するにはどうすればよいか?などをテーマにした講演会や学習会でした。いわば、二人が荒れ地を開墾してくれた後に、住民の皆さんと何を植えて育てて行くかの相談をするのが私の役割でした。
 
北九州市の市民検討委員会の結成時の記者会見では、そんな木下氏や山本氏と一緒にメンバーになって、がれき受け入れの問題点を記者会見で訴えました。記者会見後、山本太郎氏を先頭にした北九州市への抗議デモは、500人になり、その市民の力は、その後の北九州市、全国のがれき反対活動を先導するものになりました。
 
このように私がかかわった一断面を捉えても、いろいろな形で見えて来るものがあります。
 
従ってがれきの問題にかかわった全国の人たちから取材し、何のためにかかわり、何が変わり、今何を感じているかなど、全国各地の闘いを振り返る形が期待されるのですが(誰かやってみようと考える方は名乗り上げてくれませんか?)事は大掛かりにすれば、それだけ大変な努力が必要になります。
 
その意味では、できるところから報告を行い、それを繋いでゆく試みが実践的だと言えそうです。
 
3.がれきの広域化との闘いにおいて突きつけられたもの

ではがれきの広域化との闘いの到達点は、どのようになっているでしょうか?私が認識している範囲で、以下まとめてみます。
 
1)全国の連携で破たんさせたがれきの広域化

がれきの広域化との闘いは、全国の多くの市民の連携によって成功したと言えます。絆キャンペーンの下、殆どすべての政党が賛成し、労働組合やマスメディアまでまるで大政翼賛会のような形で、賛成する中で、住民の闘いが勝利したのです。
 
インターネットが大きな役割を果たしたこと、既成政党がこぞって賛成に回ったため、逆に市民が中心の運営ができ、またその多くが女性が責任者になる形を取りました。そうしたことが成功した主な要因だったと私は考えています。
 
広域化処理400万トンと打ち出されたうち、2013年夏の段階で終了していたのは、12万トン。わずか3%です。その時点では宮城県発は全面終了し、岩手県発も富山県や大阪を残すだけでした。これらを加えても数%の達成率で、あまり結果は変わりません。
 
今年3月末に、がれきの広域化が終了した時点で、環境省は、60万トンと発表しましたが、その発表でも実施率は15%で、85%は未実施だったと言うことです。
 
東京新聞では、その環境省の60万トンに対して、そのまま発表せず、県外処理量という注釈をつけました。つまり県内処理によって、委託業者に発注した分の内、その委託業者の下請け関連で県外処理を行った分を含めて、60万トンとして発表したと言うことです。
 
広域処理は、400万トンと発表され、県内処理と別枠で予算立てされていたものであり、環境省の発表は明らかに間違いです。
 
いずれにせよ広域化処理は、破綻したと言えます。
 
2)被災地の不幸を利権に結び付けて考えていた官僚たち

そしてその破綻の隙間から見えてきたのが、復興資金流用問題でした。
 
放射能汚染物の全国への拡散や焼却は、防ぐことはできたものの、広域化を含めて予算立てされた復興資金の数千億円もが残ることになり、その流用化が改めて問題になってきました。
 
阪神淡路、中越地震でのがれきの処理コスト(1トン当たり2.2万円)の倍以上になったのは、広域化処理の巨額の予算立てが響いています。
 
そして元々この余剰資金を生み出すことが、広域化の目的だったという事実が明らかになりつつあります。(がれきを受け入れたことを名目に、廃棄物処理施設建設に補助金を付けて、ばら撒くことが「目的」)
 
3)余剰資金を焼却炉建設に流そうとする企み

がれきの広域化はほぼ防ぐことが出来ましたが、東日本を中心にした剪定枝や下水汚泥などの焼却によって生み出された高濃度に濃縮された指定廃棄物の処理が新たに問題になっています。
 
これらは特措法では環境省が処理すると、従来の放射性物質の保管処理を行うように匂わせながら、福島県を中心に焼却処理に入りつつあります。
 
従来100ベクレル以上は、保管処理することがルールでした。指定廃棄物はその80倍の8000ベクレル以上であり、当然保管処理すべきものです。
ではなぜ焼却処理するのでしょうか?減容化が目的とされていますが、有機物系の汚染物であれば、乾燥や発酵処理し、水分を飛ばせばよく、燃やすことは必要ありません。
 
巨額のがれきの処理予算=復興資金を余らせ、それを焼却処理用のプラント建設に使ってゆく。焼却炉メーカとの懇ろな関係を深めること自体が目的ではないかと私は考えています。
 
ここには環境汚染から国民を守るという意思は、国家の意思として全く見えてきません。
 
4)環境汚染から国民を守るのは?

311東北大震災と原発事故を通して見えてきたことは、環境省が本来果たさなければならない環境規制省の役割を、事業部門が拡大する中で、放棄しつつあることです。
 
従来環境省の事業予算としては、全国の市町村が行う清掃工場の焼却炉建設等への補助金(数百億円)が中心でした。それが震災後、がれきの処理予算だけで1兆円、除染費用出2兆円、合計約3兆円の事業予算を持つ事業省になったことです。約100倍規模に膨れ上がりました。
 
環境省は、これまで、公害や環境汚染を規制し、環境保全を行う規制庁の役割を持っていましたが、突然このような巨大な事業部門が作られたのです。(本来は復興予算は、復興庁に集中し、実際に使う自治体に直接配分すべきでした。)
 
しかもその事業部門が、がれきの処理や除染処理を通して、放射性物質を環境中に放出することをやってきたのです。
 
同一省内に事業部門と規制部門を持っている場合、規制部門は働かなくなるのは、原子力発電事業を進めて来た経産省の事例で明らかです。
 
経産省内にあった原子力規制庁が原発推進をチェックできなかったと環境省に移されてきた福島原発事故の反省点は、ここでは生かされていません。
 
私達は、がれきの問題を通して、私たち国民を守るのは、私達自身の力でしか守れないということを実感してきました。
 
これまで環境汚染から国民を守るための環境6法では、放射性廃棄物や放射性汚染物は、定義上も外されてきました。放射性物質は、それを取り扱う原発、医療、研究施設で適切に管理されるため、一般環境中には放出されないとされていたのです。原発の安全神話と対になって、環境法での放射能汚染への規制も行われてこなかったのです。
 
しかし実際に原発事故が起こり、環境中に放射性物質は放出され、汚染がれきや汚染廃棄物の焼却・埋め立て処理によって、環境汚染が広がる恐れがありました。ところが、本格的な規正法への立法化は放置され、大気汚染防止法や水質汚濁防止法では、一部取り入れたものの、監視権を都道府県知事から環境大臣に移管し実質規制しない体制を明らかにしています。
 
環境省の役人は、「これまで放射性物質について知見もノウハウもない」と語ってきましたが、その状態は今も変わりがないのです。
 
我々の国民、市民の側で、放射性物質の規制、放射性物質による被曝による影響、影響軽減のための法制度、治療体制、焼却処理の禁止など専門家と結んだ市民環境省を立ち上げて行く必要があります。
 
4.今後の課題

法制度上の問題は、環境法だけでなく、原子炉等規制法自体も、すぐに改正の必要があります。現状では、今回のような事故があっても、事業者は何の罰則すらない法律のままです。原発の再稼働はこの面からも問い直す必要があります。このような法改正の課題に加え、以下のような課題を上げることができます。
 
1)廃棄物処理(特に放射性廃棄物)の流れの総枠点検が必要

現在指定廃棄物や汚染牧草などの減容化を目的に焼却炉が建設され、それらの焼却灰などを保管する中間貯蔵施設が福島県を中心に作られようとしています。そして中間貯蔵施設と言いながら広大な敷地内に焼却炉も建設しようとしているところがあります。
 
廃棄物の処理は、①収集 ②中間処理 ③最終処分と言う大きな流れになっています。中間処理とは、破砕したり、焼却したりして廃棄物のかさや重量を減容化する処理のことです。最終処分は殆どの場合埋め立て処分になりますが、エコセメント化したり、焼却灰を溶融して砂にし、再生利用を図ると言うものまであります。
 
環境省は、福島県での中間貯蔵施設の建設の最終確認を自治体から取ろうとしていますが、この中間貯蔵施設の運営管理と、最終処分の行方をPCB等の処理をこれまで行ってきた特殊会社「日本環境安全事業」(JESCO)に委ねるための法改定を行おうとしています。今国会で法改定し、「中間貯蔵・環境事業」会社に衣替えして委託してゆこうとしています。
 
この法人の下に、最終処分が進められてゆけば、新潟県の泉田知事が言うように全国どの自治体も核廃棄物の処分場になる恐れがあります。放射性物質の全国への拡散、第2のがれき広域化の画策が、環境省や国と利権で結びつく自治体にこの処分場が作られることになります。
 
汚染廃棄物の中間処理では、東日本の汚染地域では、市町村の焼却炉を使って一般廃棄物とともに、汚染牧草などを焼却したり、仮設焼却炉を作り、そこで燃やしたりして、放射性物質を大気中に放出させる動きが続いています。
 
また産廃系の汚染廃棄物も、現状放射性廃棄物へのクリアランスレベルを「100ベクレル」と「8000ベクレル」の2重スタンダード化し、実際は8000ベクレルに合わせて、焼却処理されている実態も報告されています。郡山市の「リサイクル協同組合」という名の焼却施設では、その結果焼却灰が1万ベクレルを越えるという無法状態が続いています。
 
滋賀のチップ問題は、国自体の法令無視と利権体質を良いことにそれに倣えと元役人が儲けに走ったすえ、処理できなくなったものを不法投棄したものです。
 
最終処分では、汚染度の高い焼却灰などの処理として、エコセメント化や砕石利用などの手段が、東京日の出エコセメント工場、埼玉彩の国のヤマゼンや広島県でのツネイシカムテックなどで行われようとしています。
 
これら全体を俯瞰した今後の対策と私たちの連携が必要とされています。
 
2)政官業学報への-反撃が始まった。

福島原発事故による放射能汚染によって、甲状腺がんの患者が、疑いも含め104人になりました。放射性物質を焼却してもバグフィルターを備えていれば99.99%除去できるというドグマが、今も幅を利かせ、放射能汚染物が焼却され、第2の被爆汚染が進んでいます。
 
こうした中で、日本の環境行政は、先に見たように事業者との利権によって結びつき、大学や研究機関が行政に、研究費などの点でコントロールされ、マスメディアは、御用学者たちによって、科学的事実を報じることを大きく閉ざされています。
 
そこで私たちは、原発事故による被爆にどのように対処しなければならないのか?今私たちの周辺で起きている事実は何か?それを調べて行く活動と間違った情報を発信し続ける御用学者への批判を行ってゆく必要があると考えています。
 
前者の活動を続けてきたのは、木下氏や松井英介岐阜環境医学研究所所長たちです。木下氏はマスメディアの出身者であり、彼の存在自体が現状のマスメディアへの批判の存在証明になっています。
 
一方御用学者への批判は、できるだけ公にし、学会などでも問題にし、反批判に耐えるものにすることが必要です。確信犯的な御用学者たちを審議会や公職から追放すれば、マスメディアが、科学的事実を自由に書くことができる道筋を作ることができます。
 
御用学者たちへの批判は、すでに始まりつつあります。月刊誌「紙の爆弾」10月号「山下俊一に公職辞任を求めるこれだけの理由」では、安定ヨウ素剤の配布を中止させ、現在の甲状腺がんの多発の要因を作った山下俊一福島県立医科大学副学長の免職要求を求めました。ジャーナリストでゴフマン研究会の蔵田計成氏に取材し、記事にしました。
 
また放射性廃棄物を含め、市町村の焼却炉で焼却してもバグフィルターが備えてあれば、99.99%除去できるという環境省の見解に対して、先日開かれた廃棄物資源循環学会において、岩見億丈医師が反対論を発表。
 
御用学者大迫政浩と論戦。論破しました。環境省の99.99%除去論を支えとなっている学会で、その論拠を打ち破ったのです。岩見氏は衛生学会や神経学会の会員でもあります。
 
私自身も環境省の99,99%論を批判するぜん息に関する論文を発表しました。
 
5.最後に

今回の問題に戻って、私は昨年来、がれきの問題と復興資金の流用化について報告本を出そうと考えてきました。がれきの広域化との闘いは、史上まれに見る市民活動だったと思っています。そこでがれきの問題にかかわり見えてきた官僚機構の問題と私が見た範囲で広域化との闘いの大きな流れを報告したいと思ったのです。
 
そうすればがれき問題に係わった多くの皆さんが、どのような位置で格闘されていたかの参考にしていただけると考えたからです。ところが今年に入っても、岩手、富山、大阪、福島など飛び歩いているうちに日時が経過し、ようやく最近になって、とっかかりの目途がついたばかりです。
 
「あざらしサラダ」さんからお話が合った時には、多少かぶる問題でしたが、私自身まとめていて、書ききれない問題が山ほどあり、別の人がまとめれば違った視点での見方が世の中に提案でき、がれき問題についての全体像がよりはっきりするのではと思いました。
 
また各地域ごとの活動状況やその中でのエピソードや問題提起などは、そこで闘った人しか書けないものであり、その面でも皆さんが報告してくださるのは有難いことだと思いました。これまでの市民活動を見ても、”終わった”後の報告は、殆ど見たことがありません。その点に注力してくださる方は、実に貴重な存在です。
 
「あざらし」さんは、これまで、ネットのブログ上で、私たちが報告している問題も含め、分かりやすく、ビジュアルに表現してくれ、がれき問題に反対している市民だけでなく、一般の人にも理解できる内容で報告を続けてくれた貴重な人だと、私のようなアナログ中心の人間は感謝していました。
 
特に私自身が東京新聞の「こちら特報」に頼んで書いてもらった「広域処理、来月末で大半終了」(2013年2月)は、日本報道検証機構からチェックを受け、まるで誤報であるかのように取り扱われましたが、アザラシさんは、素早く見事に反論し、チェックしたほうが誤報だと指摘しました。
 
また今係争中の岩手県を相手にした行政訴訟では、情報公開で入手した何十枚もの書類を点検し、行政と業者の入札における癒着関係をあぶりだしてくれました。
 
一方木下黄太氏は、今回も紹介しましたが、がれきの問題では、岩盤のような日本社会に鋭く切り込み、がれき反対運動の基礎作りをした人です。従来の市民活動では考えられなかったネットを駆使し、ネットを媒介にした連携によって、各地の闘いが広がるのを支えていった、その意味で、ひとつの時代を作り上げた人です。
 
実際私の経験では、ごみ問題では、100名の方に参加してもらう集会を企画するには、実行委員会などを作り、3ヶ月以上の準備期間が必要でした。ところが2011年の年末の際に川井和子さんが企画した静岡県の3日連続の私の講演会(1月8~10日)に数百人の方が参加したのには、私も驚きました。
 
正月休みを除けば、わずか1週間の準備期間しかありませんでした。私自身は、世間に知られている人間ではなく、ネット時代をそのとき痛烈に感じました。
 
そうしたネット社会の時代を予知し、動きを作ってきたのが木下氏だったのです。
 
本来ならばがれき問題は彼の活躍を抜きに語れない人物です。時間があればぜひ放射能汚染への防御の闘いとがれき問題、その闘いの中から見えてきたものについて、報告いただきたいと思います。
 
「チェルノブイリ被害の全貌」(ヤブロコフ博士他)が、山下俊一たち御用学者たちを追い詰めるのに、役立っていることを私は蔵田さんから教わりました。「福島の被害の全貌」をまとめてゆける状況を準備し、私たち自身も手がけて行くのは、次世代への役割であるように思います。
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参考記事:

記録集「平成がれき騒動」
発行 にいかわ未来
http://niikawamirai.jimdo.com

あざらしサラダ(愛知県がれき受け入れ問題)ブログ
2014年 07月 31日
愛知県の「震災がれき広域処理反対運動」に参加した皆さんへ


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