2012年9月4日火曜日

20120901 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」~福島の除染活動、福島市Fさんとのやりとり


From:  満田正
91 (2日前)

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なお、このメール配信、私(満田)の判断で、勝手に送らせて頂いています。
配信不要であれば、連絡くださるようにお願いします。

福島の除染活動は、政府が一兆円もの予算を計上していることから、ようやく動き出したようですが、果たして、除染効果がどの程度のものか、誰も明確な答えがないのではと考えています。
もちろん、巷では、町の発明家、ボランティア集団などが、除染技術の開発・発明に取組んでいることも耳にします。としても、決定的な除染技術なるものが出ていないわけです。
要するに、疎開命令もなく、その地で暮らして行かねばならない人々は、仕方なく、放射線高線量下での生活を余儀なくされているわけです。疎開命令が出たところでも、政府の新たな放射線量見直しで、帰還命令かの如く、自主帰還の道が開かれたわけです。
結局福島の人々は、帰還・避難の選択を迫られつつ、あれだけの被害を受けながら、助成金そのものを切られつつあるわけです。東電に対する賠償請求もこれからで、その見通しが立っているわけではありません。
先ず、除染技術について、次のように整理します。
1)放射線量が政府の示す環境基準0.23μSv/h以上であれば、通常の日常生活は不可能で、人々は、日常生活空間領域のすべでの除染を要請すべきです。もちろん、その費用は東電負担です。
2)現在の除染技術は、まだ、コストパフォーマンスを議論すべき時期ではありません。従って、徐染作業の明確な見積もりが出来ないのが現状です。従って、人々は、日常生活が可能になるまで、責任追及する必要があり、それは日常生活が保証されるまでコストを制限しないことが前提です。
3)大切なことは、人々の日常生活は、その地域に住めることが前提ですが、それまでに失われた、空白時間の保証される必要があります。当然、除染技術が現状のままでは、その分の生活時間が失われていくわけです。除染技術の開発は、それほどに切羽詰っているわけです。
4)にも関わらず、除染技術の開発が、それほど重視されていないことに違和感を持つのですが、これこそ、政策無き政府の代表的なものです。そして、明確な除染効果を確かめもせずに、莫大な予算を投じているのです。要するに、空間線量0.23μSv/h以上の高線量下にある人々は強制退去。退去した地域の徹底した除染によって、空間線量0.23μSv/h以下が保証された地域から、帰還許可を出すことが当然のことです。
5)除染技術の開発は、それほど緊急性があり、切迫しているもので、実験室でのビーカー実験程度では間に合わず、即、プラント実験、除染実地作業を通して行うもので、現在の徐染作業に費やされる費用は実験費用に類するものです。それにしては、雇用対策が優先されて、実験的要素が見れないのは困ったことです。
6)1兆円規模が当初の実験予算とするものであれば、今後、100年と続く徐染作業には100兆円予算が必要になることです。この間、放射線汚染で、失われた人々の生活は別途の予算計上となります。
7)ましてや、福島原子炉の安定・廃炉作業は別途のものです。第二、第三のカタストロフィーが発生すれば、福島原子炉カタストロフィーだけでも収集に向けて、無尽蔵の予算計上が必要になります。これは、自業自得、マッチポンプのようなもので、戦争のように、他の国にに転化できないものです。

放射線汚染除染技術への重大なる課題が控えているのですが、人々の無神経さにも気が狂いそうです。
もちろん、これらの不安が、人々は何かをせずには居られないと、賽の河原での仏塔のように諦めずに執拗に積み上げているのかも知れません。

以下、福島市Fさんとのやとりを紹介します。
私も福島市渡り地区の除染作業を見学し、驚いています。仮置き場がないために、庭とか、道路、裏山に除染のために剥いだ土をどのうに入れて積み上げているのですが、除染後にも住宅の放射線量が低減されていないのを知って、住民が愕然としているのを知りました。熱い暑いとのことです。放射線物質を閉じ込めるか、遠くに運ばない限り、その地域の線量低下は望めません。当然のことですが、地域あげて、高い費用を払って、除染作業を行っていることの滑稽さです。でも、これが徐染作業の現実であることも知っておかねばならないでしょう。
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おはようございます。
満田様 2太郎です。
福島県福島市に住んでおり福島原発事故との関わりを一時も逃れることができないでおります。とりわけ廃棄物、飛散物、汚染物の処理をどうしたら良いものか?悩んでおります。
福島市の我が家は、学童保育所に隣接しており猫の額ほどですが庭を菜園として子供たちに無料提供し共に野菜づくりの真似事をして参りました。3,11以降菜園は収穫は、おろか汚染源として子供たちに危険を与えるものに変わってしまいました。幾度か除染(雑草の刈り取り、表土の削土)を試みようとしましたが、悩ましいのは汚染物をどう処分するかです。燃えるゴミで出すことは許可されているが果たしてそれで良いものだろうか?収集作業に当たる方に危害が及ばないか、燃やして大丈夫なのだろうか、バッグフィルターは、有効なのだろうか?既に福島市は官製除染が2地区で始まっており庭木、草等を焼却しておりその安全性、焼却灰の行方も疑問だらけです。
福島県ではこれからますます「焼却」に関わる問題がクローズアップされることだと思われます。
満田様の論考は、「ゴミ探偵団」の記事で読ませていただいており色々お聞きしたいことも多数ございます。東京多摩資源循環組合への関わりはございませんがMLの参加、配信をおゆるしくださることをお願い申します。

満田様、2太郎です。
 亀レスで申し訳ありません。紹介の件については全てお任せします。
福島市の個別事情としては、市営の最終処分場がもうすぐ満杯になる事態を迎えます。福島市も大きくは2方向、大波地区、渡利地区で除染が始まっていますが大波では仮置き場の確保ができていますが山間部が多く点在する住宅を除染しても元に戻ってしまう傾向にあります。渡利地区では仮置き場の確保ができず個々の家庭に埋設あるいは、建築鋼板で除染土を囲む等の措置が取られております。可燃除染物は、殆どの場合焼却されていますので焼却灰を処分する場所が逼迫しているのが現状です。残念ながら福島市では、除染復興に紛れ廃棄物の処理まで考えが至っていないのではないかと思われます。議員も除染復興一本槍のため問題点を指摘する者がいません。最終処分場だけでなく2つの焼却施設、下水汚泥、様々の問題を抱えているのですが、専門知識のことで相談できず満田様、方々にご教示をお願いしたいと思います。多摩環ネットの本来の趣旨とは外れるとは思いますがぜひともお仲間に加えてください。

2太郎さま、満田です。
丁重なご返事ありがとうございます。
登録確認のためとは言え、失礼があったかと思いますが、お許しください。
私のメールは、ごみ探偵団の好意で、時々、ごみ探偵団のホームページに掲載されております。
私のメール内容はオープンですが、メーリングリスト登録には、福島原子炉包囲網、東京たま資源循環組合への情報公開請求のこともあり、きついハードルを設けています。
それが為か、極少数の人が登録されております。
2太郎様が、福島在住の方と聞き、また、主旨についても大きな齟齬は無いと考えますので、メーリングリストへの参加を私の方からも、是非に要望致します。
たまかんねっと配布者は、ごみ探偵団と同じように拡散していただいている方もいるので結構多いです。

ところで、2太郎様は、福島市での野菜作りが放射能汚染のために出来なくなっていること、その後の徐染作業に苦労されていること、私も南相馬、いわき、伊達、飯館村などを訪ねながら、その問題に頭を悩ませています。
現在、徐染作業については色々の提案がなされているものの、有効な手段は無いと考えています。その上に、原子炉カタストロフィーによる放射能拡散は、原子炉は第1次汚染源として、山の峰峰を中心に起こっていますので、山の峰峰の除染が進まない限り、平野部での除染は賽の河原と考えています。それにもまして、原子炉の不安定が今なお続き、放射性物質の拡散が進展している今は、とにかく、生命の安全と生活の確保を維持しながら、何とか、政府・東電が福島原子炉安定・廃炉、放射線汚染の厳密なるを確定(同定)に全財力・全政策力を使うようにすることが急がれます。
残念ながら、事態は逆に動いておりますので、それを軌道修正させるには、どうしても福島の人々、特に原子炉周辺の人々の連携による、政府・東電への圧力は欠かせません。

特に、特定企業への利益誘導を前提とした除染作業、広域焼却とは許されるものではございません。焼却炉については、静岡県島田市が廃棄物焼却処理総量データを公表したお陰で、ほぼその不安定さは証明できたと考えています。原子炉周辺の焼却炉建設も進んでおりますが、その自区内処理・凝縮は問題だらけですが、放置するわけには行かず、とりあえずの次善策でしょうか。凝縮された、焼却灰はコンクリート詰めして仮置き場に一時保管するしかないでしょう。私の仲間が、提案している、そのコンクリートの上に太陽発電パネルを置いて、常時監視、発電し続けるのも次善策と思います。除染ソーラープロジェクトです。
要するに、問題だらけの今日この頃ですが、今こそ、住民力が問われていると考えています。

今、南相馬での放射線量観測チームの立上を企画しているところです。と言っても、地元の支持・協力、それを上回る後方支援を必要としますので、動き出すには相当のタイムラグが伴いますが、放射能との闘いは、100年の計、急がず、焦らず、ことを進めたいと思っています。

以上、挨拶にしては、深すぎ、長すぎました。
この文章、よろしければ、「たまかんねっと」に紹介しますが、よろしいでしょうか。



"2太郎"様、満田です。
メーリングリストへの参加についてのご連絡ありがとうございます。
参加については、ある程度の制限を設けさせております。
私(満田)との関係(福島原子炉包囲網)とか、東京多摩資源循環組合への立場とか。
ご返事頂ければ、再度連絡いたします。

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